「統べる者」のカードに描かれているのは、白い衣をまとった皇帝の姿です。宝石をちりばめた豪奢な冠が、彼の絶対的な権力を物語っています。彼が手に持っているのは「命の書」。これは神に永遠の命を与えられた者すべての名が記されている書物です。
　御座にゆったりと腰掛け、後光のような光の輪をまとう皇帝の姿は、常人にはない威厳をたたえています。皇帝の後ろには金の冠と白い衣を身につけた二十四人の長老たちが並んでいます。彼らは皇帝をあがめ、従う者たち。人々の上に立つ、支配者としての皇帝の強さを明示しているのです。
　彼は強大な力を持っています。権力や武力をもって、人々を意のままに従わせたり、支配したりすることも難しくはないでしょう。しかし皇帝は、人々を守り、率いていくために己の力を振るうのです。