教えを説く者

教えを説く者

「教えを説く者」のカードに描かれているのは、教会で儀式を執り行う法王の姿です。壁や天井まで絵画がほどこされ、荘厳な雰囲気が感じられます。
 法王の前には、両手を組み合わせてひざまずく聖職者の姿があります。法王は左手に聖なる杖を持ち、右手を彼のほうに伸ばしてその額に聖なる子羊のしるしをつけようとしているのです。
 これは法王が精神的な指導者として、人の生き方を教え、人の道を説く存在であることを示しています。
 また、法王はみずからが法となりうる存在です。彼は己の心一つで、人を救うこともできるし、陥れたり服従させたりすることもできてしまうのです。私たちは、誰の言葉を信じるべきか、あるいは疑うべきか、しっかり見極めねばなりません。